やる夫はトロツキー暗殺の指揮を執るようです 第2話海外任務 前編

126 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 22:02:58 ID:ivhfXho20
投下開始します。



第二話 海外任務 前編


           _ __
        ,r.:"´;:;;;;;;;;;;:;:.:.``ヽ
       ノ彡;;;;;:,;;;;;;;;;:;:;:;:;:.:.::ゞ\
      /.::/⌒ヾ.;;;;;;;;;;;;;:;:;:::.:.:.ミミミヽ
       l::::j    \`ミミミヽ:,、;;;;ミミミ',
       |/l       `゙""¨´ `l;ヽ\|
      リ,,rヘ、_    _,,,__  トヽ\!     同志やる夫。ウクライナの同志たちがついにやり遂げたぞ。
        ハ'^`モッ'ト :"ニtz‐ッ ``V^ヽ;l
        u|    ´l ;:. ` ̄ ` , ;ヘ'/     彼らは帝国主義者たちの元へ逃げ込んだ民族主義者どもに
       ll    ,′;:::.     / し'′
         1   `"´     ′1       我々のシンパをもぐりこませた。
         ',   -‐─-;   ' /.:.L
        ハ、    ̄´  .//ノ::ハ      やつらを殲滅する絶好の機会だ。ついては同志、君に西側での
         __「ヽ\   _,.ィ‐'´ .:::/ トーrr
  ‐rr一'77フ′ ``≧≪"   :::// l: //:;:   工作員として活動してもらいたい。
  l l   i゙1 \   ノl〈   .:.::// ノ/ ':;:;;;
  .:| |  .! |    `"´ _」 ヽ  "´´  .:.::;:;;;;;;


         ____
       /   u \     (か、海外勤務…!?)
      /  /    \\
    /  し (○)  (○) \  ど、同志。私はこれまで外国人に接したことも、海外で暮らしたこともないですお。
     | ∪    (__人__)  J |
    \  u   `⌒´   /  それに、ドイツ語の知識もありませんお。


1934年、ウクライナOGPUは、亡命中のウクライナ軍事組織(※1)中枢部グループへの潜入に成功したと報告してきた。
同年、ウクライナの都市リヴォフ(リヴィウのロシア語読み)において、ソ連外務省の外交官が暗殺された事件が起こった。
OGPU上層部は、テロを実施したウクライナ民族主義テロ組織制圧計画を立案し、潜入命令が下されていた。


※1ウクライナ軍事組織
反ソ・反ポーランド組織として1920年にチェコスロヴァキアで結成。
のちに学生運動と合同し、ウクライナ民族主義者組織(OUN)になる。
このウクライナ民族主義者組織が、のちにウクライナ蜂起軍(UPA)の土台となる。

127 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 22:08:13 ID:ivhfXho20



         ____
       /   u \     (でも、でもよく考えろ、やる夫……)
      /  /    \\
    /  し (_)  (_) \  (この仕事をうまくやり遂げれば出世の糸口になる…)
     | ∪    (__人__)  J |
    \  u   `⌒´   /  (家族への仕送りも増やせる、それに……)



                  , -‐ ´ ̄` ‐- .
               ,. ‐´           `ヽ、
              /: : : : : : : : : : : : : : : : :    'ハ
             /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :    ハ
            ./ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :      ハ     (これは…チャンスだお…)
           /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :      ヘ
           .i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :     ヘ    (同志スルツキーが、気まぐれで命令を下すわけがないお…)
           | : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :     .}
           i  : : : : : : : : : : : : : : : 、. : : : : _    /    (このチャンス…逃せば二度と来ないかもしれない…)
           ,.-'´ ̄ ̄`''' : : : : : : : : : : : ` ̄    ̄`'ヽ'
         /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :     ヽ,
        /: : : : : , : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :      ハ
       ,i: : : : : |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 、: : : :    ハ


一度は断ろうとしたやる夫であったが、彼は考えを改めた。
スルツキーほどの大物がくれたチャンスを逃す手はない。


128 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 22:09:44 ID:ivhfXho20

         ____
       /   u \
      /  \    /\  
    /  し (○)  (○) \
     | ∪    (__人__)   J |   無能非才の身ではありますが、お引き受けいたします。同志スルツキー。
    \  u   `⌒´   /



      ,r'´.: : : : : : : : : : : : : : :.ヽ、
    /;;;:;:;:;.:.:.:、ヽ、 、::.:.:.:.:..:.:.:.:: : :\
   ,r';;:;;;:,rヾゞト、.:\.:.:、ヽ、;:;:;:;:;::ゝ,:.:.:.:`、
   l;;;:;::イ   ``ゞ, `ヾ;;、,,;;::、;;:;:;;ヾ,`ゞ;;l
   l;;;:;::,j     `ヽ、ゞ、.,,_ィニニ、、,,kゞ:;;j
   |;;;:イ!        `ー-‐'''´   `i、,;;;:|
   ,!'ィイ   ` 、         _ _   ミト、:!
   Y彡 "`ニ=;、、_,  _,ィr=ニツ´`  ミミト!
   ,!ヾj  ,ィモテ'´ヾ! ´ヾチモz     ト,fr,l|    ニヤ
   !`Y       ,   l   、        Y k,!
   ゙、,!l         |         ,j'1/
   ヾj、      l           イソ     よく言ってくれた。何、ドイツ語もそうだがしっかり訓練を受けてもらう。
    `i     `ゝ-'"        ,!′
     l    _,,、、、,,_    ,イ       訓練は明日からだ。頼りにしているよ、同志やる夫。
       ト、  ´ -‐―- `    / |
       l \           /  |、
     ,fゞ、_ \      ,ィ'_,、-‐゙´i、
    /   ̄,ニニゝー―‐''゙ゞ'´    ,レ、
   ,/`ゝ、,.,f´ ̄ヾ`Y彳 ̄ゝ、  _,r'´ ,!\
-‐'"´〉-、 lkj、  ,/l l ,l   lil‐'´  /、/`'ー-、,_
-‐'"´  `'ー'-、_ノ ,!,lil ゝ、 ,ノ人 ,ィ'´  ``ー-、_


やる夫はスルツキーの指令を受け入れ、その翌日から工作員としての本格的な訓練を始めた。

129 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 22:11:10 ID:ivhfXho20


          ____
         /\  /\    r ⌒j
       /( ●)  (●)\  /   /
      /    (__人__)   \/   /   /  )    
   _rーn|     |i|||||||i|     /  /  /  /
  i j j j j\     ` ー'´     /   '` ´  /
  {   'つr´  (⌒'ー―- イ′     ´廴
  入  人     > 、     ヽ      _  ̄ ̄ ̄)
   \_/\     -、      }        (  ̄¨´
         \     ヽ._       __  \
           >     `   --‐'´ `゙' 、_.)


           ____
         /      \        パンッ
        /   ─    ─
      /    ( ●)  (●)'、 ,,_____,,,、 ,;:''"゙゙'':.,/ -‐
      |         (__人__)  y"_//___イニニニfi ::、,. ..,::'、‐-  _ -―=== ‐
       \ _    ` ⌒´_,イ~ ̄マニフ,="´ ̄´  ゙ "´
       /´  `゙ ̄ ̄´; "     />´
       〈    _...;::::──,"i ̄´イ
        i  ´ ̄       /、. ̄,/
       |           |   ̄


              ____
             /        \   人
            /           \   て
            / \     _/      \
            |  (●)   (●)      |
.           \  (__人__)  u.   /
           /  `⌒ ´       \
      彡三三ミY彡三三ミ\--、    |
       \    \\    \E |    ノ

   訓練に励むやる夫の姿


訓練では毎週5日間ドイツ語を習い、さらに専門の教官達から至近距離での戦闘や武器の使用について訓練を受けた。
実践式訓練は八か月間、毎日続いた。

130 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 22:12:05 ID:ivhfXho20


         ,;彡ミミミ;'""'''""'''""""'''''""''彡ミミ;,
         フ彡彡;;, ヽ、,, ,..:::..  ,.:'   ゞ;;,ミミゝ
         ';彡ミシ,;r==::;,,':.':::::::..,,,;r=ニニゝ;,,ミ7"'
         "'';;彡'",;;;;;;;;;;;;;;,ヽ:::....r;;;;;;;;;;;;;;;;;,,Y"'ヽ,
         /"'iシi,;;;;;;;;;;;;;;;;;;',l::::"''!;;;;;;;;;;;;;;;;;,ノl⌒"l,
         ,i /,;"ソヾ::;;;;;;;::ノ.l:::.."''ヾ:::::;;;;,''"::l ノ ノ
         i., y 'l,  ....:::::::l',;'' ;,, ヽ、   l〆/
          \ヽ;'i:.   "',;':::::::::....ゝ "'ヽ.,:l /"
           \,'l..    "':::;;;'''""  ;''ゝ i''        君がやる夫君か、私がセルゲイ・シュピーゲリグラスだ。
            "l,::.. r‐,_,. -―''''''ニニノ ..:::l
             l:::..."'ヽ,二ニニ‐''",,; .::/l
             'lヽ、.::"'''''''""""""..:::/ .l
              l;;;;;ヽ、 . :.: :::. . : ..::../  l
            ,r'"l;;;;;;;;;ヽ,,;;,,;,;;;;;;;;;;;;;;/   l"';,
             l;(く;l..:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;''''"" ,;;l)):l
            l;;,"''ー-::;;;;;;;;;;''  _,,,...r'':::::::;;ー;,,
          i''"";ii;;:::::::::::::;i::i:ヽニニン,i,;:,:::::::::::,;l'::ヾ:'i_,,
 __,,,,,,,.....:.....,i"::::::::::::::;ii;:"'t.,::::::::;;;l   /:::::::::;;;;::i'i::;;:::ヾ:::::ー―- ...,,,,,
:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::.ヽ.::;;ii;:::::::';,-:::::;l_,,../;;;'"::::::::::;ii;:::::'"":::::::::'''""''::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::;,,:::::::;;,,::::::;ii;,:::::'":::::::::::;;::,;::::::::::::;;::i;iii::::::::;;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::
セルゲイ・ミハイロヴィチ・シュピーゲリグラス(アンデルセン神父)


やる夫の訓練でもっとも重要だったのは、ある人物との会見であった。
その人物は、NKVD(34年7月にOGPUから改変。内務人民委員部)外国課長補佐であるセルゲイ・シュピーゲリグラスであった。
彼は筋金入りのチェキスト(チェーカー勤務者や国家保安機関に勤務する者のこと)であり、超ベテランの非合法工作員である。

131 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 22:12:59 ID:ivhfXho20


 、-≦_ー‐  -=ニ`ー、ヾ,ヽヽト、ヾヨヽ'i Y,r‐'‐イ   /  ̄ ̄ ̄\
  〉三_‐_´_ `ミ、_ヽ`ミト、ト_ミ;;W_ヽi リ∠'-三!,/. 資       .\
 彡ラ'_´-_‐' -‐三ミー_-ミミr'    `"┴ミミミ≦|  本 踊 踊  .|
  〃彡-_ ,-__ヽ≡_-ヾミ{_        ト\、!|  主. .れ .れ  . !
 ム,∠/-,-',,.-, |彡_/~~≡_      |ハ!ヾ'|  議        .|
  }三三{ /) ト'、'、   `ー‐-'_、  ,   !   |  者         .!
 . f三三ム !r'(   ヽヽ、  、 r-、ミヾi|!|,-|   \        /
  f三シ´ } y'/    \`ヽ,ヾ|!、 !ヽミリソ|Z!     >    <
 ノ彡゙  ヽッ';:;;:、     \ `ヾ≧キ};==iリ   /       \
 :゙     /;:;:;;〃_,,、_    `ヽ{_ノ'-'   !  /             !
 ヽ,  i  /;:;:;=、´,=ト、゙_      ,.-、.   i   |  私 こ 見 地  |
 ヽヽ,i'  i',彡;:;,   ゙トy_`,ー-..、  ト、,._  〉‐'|  に の せ 獄  !
  ヽヽ,  \レ: .:,  `'ヽ'、'w,_ `ヽ、〉"   YヽL|       ろ .を  !
 、 ヽヽ,   `に;;::;   、 `ヽ_~)'r'´i_,r ‐ ┼ ゙i\              !
 ヽ  ヽヽ   ヾrシ   ヾ_-ァ‐' 〈r'   ヽ,-'‐ \       /
  ヽ  ヽヽ   ヾfシノ, , 〃/   ヽ_,   ノ!i\  ノノヽ___/
   ヽ  ヽ\_,..-ヾカソノソシノ`ヽ、  </   ソ  ゙ _,| |
    ヽ、_ソ/)、  `\´     `ヽ!     /  , └┐i!
    ヽミ_-' / ノ\   \      |    |!  、ヾッ, | ||
     ヽ  ̄ ´  \   \.    ト、   "  \_`'、||


彼はモスクワ大学時代から革命運動をはじめた共産主義者であり、1919年から今日まで非合法活動に従事してきた。
内戦時代は、ロシア各地を転戦し、懲罰行動、反革命派の鎮圧、反革命容疑者の工作に参加。
1922年1月にGPU第6課(後にOGPU外国課)全権代表として、モンゴルに派遣。
現地の白軍部隊の活動を阻止したうえ当時のモンゴル情勢、日本軍の戦略計画、中国軍閥に関する情報を収集する戦果を挙げる。
1930年代初頭にはヨーロッパへ派遣され、パリのモンマントル通り近くの、ロブスターが売りの魚屋を隠れ蓑に数多の活動を行った。

132 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 22:15:33 ID:ivhfXho20

            ___ 
     ____,../     \
    ノ   /           \      大変参考になりました……。
  /   /              \
 |     |::..           ...::::|     私のような者のためにお時間を割いていただき、ありがとうございました、同志。
 ヽ    -一ー_~、⌒)^),-、;;;;;:::/
  ヽ ____,ノγ⌒ヽ)ニ


从                        ミ,',',',',',','刈
メメ ,ィ '二 ヽ 、        ,ィ'ニ二こ入 ヽ!,',',',',','N
刈〃 ´,ィ ´`ーこュ,   ,〃,ィ' ̄`ヽ、  .ヽ!,',',',',刈
   /      ヽ ,r==t、/       ヽ  ヘ,',',',','IV
 r==l        lィl⌒ト l r≡==、 l==t!,',',',','ト`
./   ハ        / l  l .ヽ 、.,_   ノ  l,',',','从
    ヽ ____ノ l l__l l `ー弋く"     l,',ィ1'`
          l / l  ヽ .l    ヽヽ   Y,r1|
メ         l/  l  .ヽl     ヽ \ミ l/ .l !
刈        、.  !   >       ヽ ヽj メ/     なに、これも全ては党と祖国ソビエトのためです。骨身は惜しみませんよ。
.l刈         ` - - '          ヽ l //
..l刈:,   ,-─────────-、  ,;刈//      初の海外勤務では慣れぬことも多いでしょうが、がんばりなさい。
. 川.  ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 丿  川ノ!
`ヽ川.   `ー ------------─ ´  川メl/
 l ヽ川 ` ー -- ─── -- 一 '´. i川/ l
 l  .弌川              川川メ" .l
 l.  ___守川川川川川川川川川メ--、  l
, - '´  `:弌川川川川川川川メ   x ` '-、
      l `下川川川川刈メ"  /      ` '-、


この時の会見の様子を、やる夫は仔細を語らなかった。
だが、その後のやる夫の人生には大いに役立ったであろうことは想像に難くない。


134 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 22:29:14 ID:ivhfXho20

           ____
         /       \
        /   ─   ― ヽ
      /    ( ●)  ( ●)'
      |        (__人__)   |    “叔父さん”、今回はどうぞよろしくお願いします。
      \       ` ⌒´  ,/
      /      ー‐   ヽ



             __
            /:::::::::::\
          /:::/⌒Y⌒ \
          |::::/ ( ●)(●)
          |::::>   (__人__)
             |     ` ⌒´ノ   おぉ、やる夫。
              |         }
              ヽ        }    よく来てくれたなぁ。
            ヽ     ノ
            _,,ゝ    (,_    よろしく頼むぞ。
          /´  `ー-一´`
         ヴァシリー・レベト(できない夫)


八か月の訓練を終え、やる夫に最初の国外任務の準備ができた。
やる夫は、レニングラードから海路ヘルシンキへ向かうことになっていたが、この時、やる夫には“彼の叔父”という肩書を持った男が同行した。
この男、ヴァシリー・レベトは、ウクライナ民族主義者組織(ウクライナ軍事組織から改変)の幹部であり
同組織の指導者イェヴヘーン・コノヴァーレツィの副官である

136 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 22:42:53 ID:ivhfXho20


     /           /^´´"|   |  | ヽ
    /      /  ∠     |   |  ト、..  \
    /::..    ∠.イ:::/ ̄ ̄`==|   |::::::ハ:::::\\\
   〈:::::r‐-、  .::/|/< ̄(:_リ"ヽ}/|::::||/=}:::::::ヽN\|
   〈:::{ r> l.:::/ l         / |::/1t:ハノ::::::::ハ| | |
    |::ハ ヽ |:/           l∧ ` |::::/l/ |
    |:::::`ー::::r             -/ ///
   」::::::::::::::/ト        ____  /
   ∧:::::::/ キ、          ̄ ̄` /
─‐N V|/   :::´X、        イ
::::::::::::〉/      :::::::::::"'-x...,,,_,_,_,_,_/`
:::::::::zへ    | :::::::::::::::::::/ ̄´
:::/   \   |  :::::::ノ:::<
イェヴヘーン・コノヴァーレツィ(加持リョウジ )


イェヴヘーン・コノヴァーレツィは、ウクライナ民族主義者組織のカリスマ的指導者であった。
当時、オーストリア領であった西ウクライナのガリツィアで生まれたこの男は、オーストリア軍の将校であったが
オーストリアのウクライナ人義勇兵を集めて組織された”シーチ銃兵隊”を率いて、ウクライナ中央ラーダと呼ばれるウクライナ独立派に合流した。
レベドとは1915年にツァーリツィン(現ヴォルゴグラード)の戦争捕虜収容所で出会った。
3年のこう留期間中に、レベドは彼の部下となり、1920年にウクライナからコノヴァーレツィが撤退するまで共に戦った。

137 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 22:44:06 ID:ivhfXho20

      __
     /:::::::::::\
   /::::/⌒Y⌒\
   |::::/  ( ●)(●
   |::::>   (__人__)
.   |        ノ
    |      ∩ ノ ⊃    俺の手腕ならこれくらい朝飯前だぜ。
  /     ./ _ノ
  (.  \ / ./_ノ │
  \  “ /___|  |
.    \/ ___ /


そして、レベドはウクライナにおいて地下組織を形成するため、そのまま現地に残留した。
彼は民族主義者の中で高く評価されている人物の一人でもあったため、組織網の形成に有利と判断された。
コノヴァーレツィの判断は当たり、レベドは残留ウクライナ民族主義組織の拡大に尽力。
この功績により、OUNの中枢メンバーまで昇格した。


140 名前: 名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2014/09/22(月) 22:47:40 ID:VvCxgVYo0
>>137
日本でも高官や上流階級にソ連シンパ植えつけたくらいだから、
スパイの人材には事欠かない

138 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 22:45:54 ID:ivhfXho20
         ___
        /::::::::::::::::\
      /:::::::::::::::::::::::::::\
     ./:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
     .l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/l
      l::::::::::::::::::::::::::::::::: > l
      .l:::::::::::::::::::::::::::::::i  l
      ヽ:::::::::::::::::::::: i   l
       ヽ ̄ ̄ ̄    l    ……俺は常識的な選択をしただけだ…。
        .)     __,,../
       /===、_〈
     /       \
    /            ヽ
   .i       、    . l
   .l i         l     l
   l .l        l     l


そんな危険人物がなぜやる夫と一緒にいるのか?
それは彼がNKVDのエージェントであり、彼の組織した地下組織は、ソビエト体制側のために活用されていたためだ。
彼は早い段階でGPUに逮捕され、「処刑か、協力か」の選択を迫られ後者を選んだ。
以後13年間の間、彼はダブルスパイとなり、1920年代のウクライナでOGPUが行ったゲリラ制圧作戦の第一人者であった。


143 名前: 名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2014/09/22(月) 22:49:57 ID:VvCxgVYo0
>>138
FBIがマフィアの幹部をスパイにさせたやり方に似ている

139 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 22:47:26 ID:ivhfXho20


     /           /^´´"|   |  | ヽ
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   」::::::::::::::/ト        ____  /     我々はあなた方に、より一層協力したいと思ってます。
   ∧:::::::/ キ、          ̄ ̄` /
─‐N V|/   :::´X、        イ       そのため、ぜひとも総統との面談をお願いしたいんです、大佐。
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:::::::::zへ    | :::::::::::::::::::/ ̄´
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              r '三三三三三三,,,ヽ
              / `ー、三三三三/ ´ l
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         (´ 三三ゝ___________|   丿
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             _|: : : ゝ -- ': ゙|: i!ヽ .__ ノ:.:|
            f !: : o`i: : : : |: |!: :.:.:.| : : :|
            | `ヾ,.: :l: : : :..:.l_:j : : : :l: : :,l        よかろう、総統官房と掛け合ってみよう。
                l   \l.: : :,.,:‐-‐:.、 :.l!: :/\
            ヽ   /: : : :,.'二7 : 〃/   \     我々は君たちの助力に心から感謝するよ。
            /三 _∠ヽ、/´: : ::ヽ__イ 三 、  `ー 、
           √ ,//´ノ' `i三,,ヘ ̄ /| 三三     \
        _ /r ' / /  ノ∠_ ヽ/jl 三三 r=='二_ ´
       ∧ ∨ /  /   '/ ,j  ト‐|'ヽ 三三三ヽ,    ̄`ヾ
      /  l/ ./  /   //  /  |!:::|  \.. 三三 l  ロ //
     /   レ /  /   レ'  /    |r=l   ヽ. 三'|!   //
    /     V  〃  〆   f 三;  ヽゞj    `! 三   //
            アレクサンダー大佐( Q )


そのレベドからもたらされた情報は、ドイツ国防軍情報部(アプヴェーア)のアレクサンダー大佐を通じて
コノヴァーレツィがヒトラーと会談を行ったということだった。


141 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 22:48:38 ID:ivhfXho20


               ,、、、、、、,,,,
              /.:.:.::::::::::::::.:.`丶、
             /:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:.`ヽ
            ///⌒ヽ、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;',
           iiii!      ``ヾ、;;;;;;;;;;;;;;;jj!
           iii!          `ヾjjjjj!
           jj!   、、、,,,  ,,,、、、、  jiii!
           ハ  ´,rテ弐  rテェシ  Vハ
            い     ´  i:.`  ´  i i
            ぃ    ,.  .l:::;、    ノ ノ
            `1    jiiiiiiiii!   イ 「
              ',   -ゞ''''''‐-   j ト、
              ト、   ´¨¨`  ノノ/.:.::.、
             ノl ヽ、 __ _,.イ.:.:.:.:.:.:.:.:ト、
          ,. ィ´.:.:.ハ ,,,.. -‐ '´/.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.ヽ、
       ,. ィ´;;;;;;;.:.:.:// `ヽ    /.:.:.:.:.:.:.:.:./. :. :.: .: .:ヽ、
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    /.:.:./.:.:.:.:l;;;;;;;.:.:.:.:l   ハ `y′..:.:.:.:.:.:./.: .: .: .: .: .: .: .: .: .


ヒトラーとどういう取り決めがされたかは不明である。
しかしこの会談の後、OUNの若いメンバーたちがナチ党学校(原文まま)で訓練を受けれるよう手配したという情報は見逃せない。

142 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 22:49:39 ID:ivhfXho20


フィンランド首都ヘルシンキ


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二.ll.| . 二 ̄ ̄|=,ィ'⌒ニニエニニil]1lー-il]|_三rーilil ̄|─r‐┬||irr-、v冖v":;;;: : ;: ;: ;:  ; ::; : ;:; :; :  :: :; ":;;;: : ;: ;: ;: ;: ;: ;:  ; ::;
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韭|  |l::;...;;.;.;ii:i韭lllll":;;;: : ;|韭韭|ニニエニニエニニエ : ;:;;';':;:';'::;:';'; ,. '':,.ィ;| ̄冂ilrーilil┬ li┬;:::;:;:;;::::,.‐':;ニ´ィ:爿ヱ;'::;|I|:・:|I-lT┐┬

      ____
     /     \
   /        \     あれがヘルシンキかお…。
  /           \
  |              |
  \              /


             __
            /:::::::::::\
          /:::/⌒Y⌒ \
          |::::/ ( ⌒)(⌒)
          |::::>   (__人__)
             |     ` ⌒´ノ   そうだ、あそこが西側、資本主義の世界さ。
              |         }
              ヽ        }    さて、お迎えが来たぞ、同志。
            ヽ     ノ
            _,,ゝ    (,_
          /´  `ー-一´`ヽ


NKVDがやる夫に用意した身分は、レベドの甥であった。
レベドはヘルシンキにつくと、彼を別のエージェントに引き渡した。


144 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 22:50:53 ID:ivhfXho20


               _
       _,、-‐ '' ~ ̄  _`ヽ、_
     /´  /  r'ニ三ヽ\} ^ヽ、
    /    /    | ̄ ̄¨`ヾム;_=ニヽ
   /    /    |        `lヾ|l
   // !  /   ‐7 ̄`''‐、,_     | レ|
   l | |  /    f      ,ィ‐‐〈/ l|
   |l /   /    ,| '´ ̄`  〈マヽ/|! ||!
   |! /   /   / ,l       ヽ` | ! |′
  / l  /   / ,/  ,.._   =ィ''’/ ! |
  / ! /   / ,/   ヽ、二,ァ  / | |
 / / /   / / il|    '' ‐   /   | !       ヘルシンキへようこそ。
./ / ,.イ   // i: il|il|i  州  /|   !l
l  / '| l  l/、.,,_ !   il|l|ili|l|,i /     |        レベド、久しぶりだな。
! /  | | /  /``'‐、,ィ!´il|  , /  /|
ゞ‐、i| ! | l|  /   /Y } ,/ /  イ|        彼が君の”甥っ子”か?
   `\| |‐<_   / 7l l,/ /  / l /
      >!'゛  `_ 〈∠ill| l--'イ| / !/
   /     ^`ヽ\ll「lヽ、_'´ノ′
             ヾ,リ| \`t.、_
               ', |   \ヽヾ'‐t-、
コンラート・ポルヴェッコ(沢渡止)


やる夫たちを港まで迎えに来たのは、コンラート・ポルヴェッコだった。
この男は、ここヘルシンキに身元を偽って暮らしている、ウクライナ民族主義者組織の幹部だ。
彼は亡命中の民族主義組織幹部と、レニングラード(現サンクト・ペテルブルグ)の地下組織をつなぐパイプ役であった。

145 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 22:51:26 ID:ivhfXho20



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      |::::|~―-、 ヽ   ,,-―~   |:::::|:::::::::::::::::|
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      |:::::::ヽ    |        |::::::::::|:::::::::::|
      |::::::::|     |      u |:::::::::::::::::::::::|
       |:::::::|    / 、       |:::::::::::::|::::::::::|        死んだら負けだと思ってる。
       |::::::::ヽ  -`--― 、    |::::::::::::::::::::::::::|
        |::::::::::l|il|i ヽ_ ̄ ̄ /  l|i/ |::::::::|:::|:::::::::|
        |:::::::::::::::l|i 二 ̄   l|i|:::::::::::::::::::::::::::|
         |::::::::::::::::::|\州__l|i/  |:::::::::::::::|:::::::::::::|


そしてレベドは知らないが、彼もまたNKVDのダブルスパイであった。
レベドは彼がエージェントであるなど夢にも思っていなかったであろう。

146 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 22:52:27 ID:ivhfXho20


           / ̄ ヽ―-- 、_
         _ // ̄` -―-、:::::::::::`゙ - 、
        //:;:;:;:Y;:;:;:;:;:ー---、__ヽ、:::::::::::::::::\
  .      //:;:;:;:;:__/       _ \:::::::\::::::::ヽ、
      /::|;:;:;:;r'      __∠_  ヾ、:::::\::::::::\
        |::::|;:;:;:l    l_∠)__,- '`   ゞ-ヽ、::::丶、i           おい、やる夫!
      |:::|;:;:ノ_,-┤ '''          く .个i、:::::::`\
      !:::ヾヽ f) /             ノノ/;\::::::::::::\        てめぇ、なめた真似したら承知しねぇぞ!
      ト::::::::i:〉く::::....  _         _/;::;:;:;\::::::::::::::\
       | ヽ:::::!   ヾ /_ >、      / !;:;:;:;:;:;:;:;::;:\::::::::::::::::\    わかったな!?
      |::::::ヽ::ヽ、ヽ/    l     i|i| /   |;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;;:ヽ:::::::::::::::::ヽ、
        |:::::::::::::∧  ',   ノ   i|i|/   |;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;.:;:;:丶:::::::::::::::ト!
      |,::::::::::::∧ ヽ-‐'  i|i|i|i|    ',;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;: |:::::::::::::|
       |;:;:;:,::::::::::::i|  州 li|i|i|      ',;:;:;:;:;:;:;:;::;:;;:;:;:;: ト,:::::::::|
         !;:;:;:;:;:;:,::::::::i|il|l|ili|l|i|i|__,.┬―┐ ├‐┐;:;:;:::,;:;:;:;:| |ノ~V
        l;:;:;:;:;:;:;:;:,:::::::::::li|l|ili ̄    l    l  ヽ  ',;:;:;:;:;:|ヽノ
       \;:;;|\iヽW::::/      l   | ̄ ̄ i  ',_,、ノ
         ゝ'r -ー' ̄  ̄`--、_ l   |    l__  ヒfi_


レベドはやる夫を彼に預けると、そのまますぐにソ連へと戻っていった。
そして、やる夫の海外勤務は、最悪の形で始まりを迎えた。
ポルヴェッコは、やる夫の”本当”の正体を知らされておらず、本当にレベドの甥と信じ込んでいた。
そのため、彼はやる夫に対し、徹底的に敵対行動をとった。

147 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 22:53:01 ID:ivhfXho20


                   , -─‐──‐-、
                    /        ゚    \
                 / ;  ゜      °  \
                 l  U      ; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; l⌒ '"⌒ ヽ、
は、腹減ったお…       |;;;;;;;;;;;;;;;;;;    u.    ;   |ー       \
         .        ! u. _ノ′ヽ、__   ∪           ,;   \ ,rー、
                  ゝ。((-‐)  ;;;;;;;;;;;)::。 i'′⌒ ̄ ̄` ̄ ̄ ̄ヾ`ヽ ヽ
                 (  ヽ'"(__人___)"'__ ,ノ ヽ、____"___,、___ソノ__ノ
            ´ ´ `゚~゜´^" ´~`゚゜`⌒ ´"´´゚^゚^ ~゜゚`´^゙^ ^´'゜´^゚´ '゚^´゙ ^ ゚゜


やる夫のフィンランドにおける生活水準は、意図的に劣悪な環境に置かれた。
ポケットマネーなどなく、彼を敵視するポルヴェッコは一日に10フィンラド・マルッカ(フィンランドの旧紙幣)しか渡さなかった。
その10マルッカも昼食とストーブ代で消えてしまうため、彼はいつもすきっ腹を抱えていた。

148 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 22:53:36 ID:ivhfXho20


             |            '" "   ¨"'''了  |  |
             |___                   i   |  |
            |   `丶、               |  ||  |
            .lー==―-、 、_    /         ノ  |   |
            iz=_(:)_,. ヽ // '   i       i|   |   |
           /              /ナ-==z.._ {.|  .|   |
         ../              { ヽγ, 、   .〉   |   |
         /               `、 `'..__ヽ /|   |   |
        /             / /     } ||   |   |
       /            ////      .リ ノ   .|    |
    /  /       ;;;;;;;;;;;;;;;;;;           ./ i i .|   .|
   /  ノ        ,丶ー-_    ;;;;;;   ./   l |  |   |
   t /l|lil|i         \──     ̄ `/    / | ./  i|   同志ゾーヤ。あいつは民族主義者のスパイです。
  i/    |l|||          ̄ ̄     /    /  .|  |   i
  / `丶、  ili|l|              ./     /  |   |  /   後腐れのないように“始末”しちまいましょうぜ。
 |    丶、|l|ili|l            ,ilil     ./   |    |  |
..{     /~\Yillili|l|     州il、  ilil     ./   .|   .}  i
.l   /    \ li| li|l|ili|l||||l|lil|i ililillil         /   / /
{  /        ヽ,ilililli|l||||l|liilililil"         ./   / /




          /.:.:.:.:.:.:./.:.: /.:/ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..\|:.
.         | :.:.:.:.: /.:.: /.:∧ :.:.:.:.:.:.:.:.:.: ‘,:‘,:.:.:.:.:.:.:.:.:..\
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          ∧:.:.:.:|:.:.:∧|.    \/ .:./ .|/ .|/ /.: /.:./ :. :.
.         / : |\:.\{,x===ミ、  )/x===ミV/ /.:./| .:.:.:.:.
        /.:.:.:.|.:.:..\{: : : : :       : : :__彡イ/..:| .:.:.:.:.:.     まぁ落ち着きなさい。モスクワからは彼をコノヴァーレツィと
.       /.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.         ′     / .:.:.:.:. | .:.:.:.:.:.:.
       {.:.:.:.:.:.:| .:.:.:.:.:.:.:.    、   ァ    / .:.:.:.: l :|.:.:| : |.:.:l    合流させろ、という指示なのよ。
         .:.:.:.:! .:.:.:.:.:.: \    `ニ´    /..:.:.:.:.:.:.l :|.:.:| : |.:.:|
.        \.:.‘, :.:.:.:.:.:.: :.`i  .,,_,,.  i´.:.:.:.:.:.:.:.:.: l :|.:/.:.///    私がじきじきに調べるから、少し落ち着きなさい。
           \‘, :.:.:.:.:.:.: :.\    //.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:/厶イ/
.           /ニ\:.:.:.:.:.:.: |∩` ̄´∩| :.:.:.:.:.:.:/}/\
.          /ニニニ\:.:.:.: |∪ ∩ ∪| :.:.:.:/ /ニ二\
      /ニニニニニニ\: |\ ∪ /| :/ニニニニ二二\
ゾーヤ・ヴォスクレセンスカヤ・ルイプキナ(アンリエッタ・ド・トリスティン)


さらに、ポルヴェッコは彼の工作担当官であるゾーヤに対し、やる夫を始末するよう提案していた。
が、これは許可が下りなかった。

149 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 22:54:12 ID:ivhfXho20


                    / A \
               _/ ∀  `ー―vヘ、
            〃´  -゚-―‐゚―‐- 、0\
          l ̄` /            \ l
          | (0/               `ヽ、
          / y′  ./  j{    :.:.ヽ:.:.:.:ヽ :.:.:.:l
           ,' :/    .:.| .:八    .:.}.:.jl.::.:.:.|:. .:.:.:.|
.          | ,'.:.:..  .:./!.:./--\  :.jV-ハ.:.:.l.:.:.:j:. l
        j.:l.:.:.:{.: .:':{ ヽ{ _  ヽ.:./ _  ∨.:.:/∨
        /./\:.\::.:.l x==ミ  ∨ ィ=、 ,':.;.小
.        /:.,':.〃lヽ:.{\{ ′           イ.:.:.:.l::ヘ
      /.:.:l :.:.: |.:.:.:.:ヘ        `    } .:.:.:|.:.:.ヽ
.     /.:.:.:.!.:.:.:.:l.:.:.:.:.:.:\    (ア   /.:.:.:/l:.:lヽ:',       初めまして、同志。
     {.:.:.:.::|.:.:.:.:.lヽ.:.:.:.:.:.,:> 、     ,.イ:l.:.:.:.:/.:.|:.:! l:.:l
       ',.:.:.:.l..:.{:.:.:!:.:\.:.:.:.{(!_.≧く|>!| l :./.:./l:/ V       私が担当官のゾーヤよ。
      \∧:.ヽ:.|ヘ:.}\.:.:}厂X⌒}0 j:! ! .:.!:.:{' /
          ̄ ̄_二>!:人ノ__>'´ ̄Vヘ :.Ⅳ>          実は今日、お昼を持ってきたのだけどお腹はすいてない?
         _, イ    j/  /   '´  ヽ{ `ヽ、
        /       // ゙̄ヽ         \       あ、渡す前に身体検査はさせてもらうわね♪
.       / {     o  |: 〈( !) 〉 o     {   ヽ
       l  /      |  ヽ_/        l   l
       │ j"      |            ヘ  |    |




        ____
       /      \
     /( ○)  (○)\
    /    (__人__)   \     あ、ありがとうございます。
    |      ´⌒`     |
     \     `ー'´   /     どうぞごぞんぶんにしらべてください…。
    ./         ヽ
    |           |
    |   i        l .|
    |  |        | |


モスクワから出る前の事前の予定で、ゾーヤと彼女の夫である海外駐在官と秘密の会合が行われることになっていた。
彼女はこの時サンドイッチとチョコレートを持参してきたが、その前にやる夫の身体検査を行った。
食べ物が一つでも見つかったら、敵に秘密をばらした証拠といいはるつもりであったらしい。

150 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 22:54:45 ID:ivhfXho20




              -─‐──‐-、
         /             \
        / ;            ヽ
        l  U                l
        |     , 、     ;    |⌒´⌒`ヽ、
       !、  _ノ" "ヽ、__  ∪        \      やっとこの地獄からおさらばできるお…。
        ヽ ((●)  (●) )::  /⌒゛`       l:
         /ヽ~゜(__人___)~__ ,ノ|     ,     |
         /   /` ⌒ ´    |     |    ,   !
          /   /    | `ー-,,,|"   |___,ノ   |
       /   /     |    |    |     ,lー─- 、
    , --‐-ー、_/      l     ,|    |   ,/  )   )
   く / / ァ- ,ノ      \ノ^ノ^/⌒ヽ.j\  /^ー-‐'
    `ー' ー´ ̄       (_イ_,イ、_,ィ'´__/   ̄


二か月後、ようやくコノヴァーレツィからの密使が到着し、やる夫とポルヴェッコは海路でドイツへと向かった。

151 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 22:55:12 ID:ivhfXho20

            _
        ノ |_   ll__l---||_
      rj「l__`ー'  ヽlーj  L---┐
      |―┴┴―`ーrュ-‐< ̄.ィj .__jl
      |[][][][][][] i """ _..,,rr=''´ l
      l ̄ ̄ ̄ ̄/7-‐'´     /
   f  jL-、 _-‐'      -‐´~~
   ヽ |  ̄  _j_ -‐'~´~~
     `ー~´~~~~


航海は順調であった。
スウェーデンで、用意されたやる夫のパスポートの写真が違うことでトラブルとなった以外は。
最終的にはパスポートは無事に返却され、そのまま後はトラブルもなくドイツへと向かった。

152 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 22:55:57 ID:ivhfXho20


                                  }ミv彡{
                                 (十)
                                  Υ
                                vぅ  мくKィм   ィv
                                Чミ_ハ|ソムリハ__κ7
                                (ミミ} {ミ(ミ三)ミ} {彡)
                           _{{ Π丘ミ 三彡丘Π }}_
        lニニニニニニニニニニニニニニニT厂|厂|厂|厂厂|厂|厂|厂lTニニニニニニニニニニニニニニl
         \|"""""""""三三三 |┏━━━━━━━━┓|三三三"""""""""|/
         ┌|        三三三三三三三三 |┗━━━━━━━━┛|三三三三三三三三        |┐
     \ 三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三/
      \ ̄Τ ̄Τ ̄T ̄ ̄「  ̄ 「  ̄ 「  ̄ 「  ̄ 「  ̄ 「  ̄ 「 ̄ ̄「 ̄ ̄「  ̄ 「 ̄ 「  ̄ 「  ̄ 「  ̄ 「ヽ/
       _| L ζ _|Lη |Lκ |Lξ |Lщ |Lψ |LΩ |Lκ |Lζ |Lχ |Lψ _|Lζ |Lπ |LΣ |Lα |Lε |L|_
 _     r|__z――― z――z ――― z――z ――――― z――z――――z―‐z ―――― z―┐    _
  ||       Υ⌒Υト\__Υ⌒Υ\ ___Υ⌒Υ_____ Υ⌒Υ___ /Υ⌒Υ_/彡’Υ⌒Y      ||
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彡彡彡彡/,|ll l ll| |∪ |l    |ll l l l∪|.      |ll l l ||        || l l l |      |∪l!ll l l |    | ∪ l |l l l |\ミミミミミ
鬥鬥鬥鬥l圭|ll l ll| |   |l    |ll l l l  |.      |ll l l ||        || l l l |      |  l|ll l l |    |  t l |l l l |圭|鬥鬥鬥
二二二二|圭| l l l| |「rミ|l    |ll l l l「ミ|.      |ll l l ||        || l l l |      |r「ljll l l |    | 彡」 |l l l |圭|二二二
圭圭;T ;|z|l|「l l l t| |トミ|l    |ll l l ll ミ|.      |ll l l ||        || l l l |      |Lノ|ll l l |    | 彡」 |l l l |ll|z| |圭圭
圭圭;;| |z|l|l l l l t| |   |l    |ll l l l l「|.      |ll l l ||        || l l l |      | zr|ll l l |    |  z |l l l |ll|z| |圭圭
圭圭;;| |z|ll「「「「「| | l「 |l    |ll l l l l|;|.      |ll l l ||        || l l l |      |t「 |ll l l |    | 「 l l |l l l |ll|z| |圭圭
圭圭;;| |z|ll| l l l l;| | l| l|l    |ll l l l l|;|.      |ll l l ||        || l l l |      |ll |ll l l |    | t l l |l l l |ll|z| |圭圭
圭圭;;| |z|ll| l l l l;| | l| l|l    |ll l l l l|;|.      |ll l l ||        || l l l |      |ll |ll l l |    | t l l |l l l |ll|z| |圭圭
圭圭;;| |z|ll| l l l l;| | l| l|l    |ll l l l l|;|.      |ll l l ||        || l l l |      |ll |ll l l |    | t l l |l l l |ll|z| |圭圭
圭圭;;| |z|ll| l l l l;| | l| l|l    |ll l l l l|;|.      |ll l l ||        || l l l |      |ll |ll l l |    | t l l |l l l |ll|z| |圭圭
圭圭┴┴|ll|_l_l_l_l;|t三八 = 八三八彡 == 八三彡 ==== ≦ミ三八┐=,┌八ミ三三┐={ミミミ 三三l ┴┴圭ミ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄ ̄ ̄ ̄   ̄ ̄ ̄        ̄ ̄            ̄ ̄ ̄     ̄ ̄ ̄ ̄    ̄ ̄ ̄ \ ̄ ̄ ̄ ̄
       /                                                       \
ドイツ帝国首都ベルリン

153 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 22:56:53 ID:ivhfXho20

                _
          /     ̄`ヽレ!__
       _,.-'´           \
     / -―'    _/ ̄` ヽ   \
    l /    r― '´       \    ヽ
.    」/  / /l7        ヽ     \   i
  //  / i レ^|| i 、     \    ヽ |
 / 〃   | l | | ハ l  \ \   ヽ    \ l
 | /i /  |. ハ l  !{ l ト 、  ヽ \ ト、 ハ Y |
 l' レ'! i  !ムレL、_ヽ 丶>、_ニ≧>、 V | ハ ! l
.     | ト、 | ィ弋Tヽ  ヽ く でリヾ \ヽfご∨レ
.    V ヾ{`、  ̄   |       ̄´   W い }
         い   ノ          ぐ_,イL__,.  -―- 、       俺がコノヴァーレツィだ。
         ` i  ヽ -        r- '1ヽr-―  '二 _ ヾ
           ヽ  ー‐―一'´   /  / ハ、  -、 -、  \      レベドの甥だって? 歓迎するよ。
          / ヘ         / / /  \\ ヽ ヽヽ ゝ
        イ  / i、  _,.イ / /     /`丶ヾ\  \ヽ    ウクライナのために共に戦おうじゃないか。
   ,.-'´  |  {  ヾ二 -‐ '¨´ /       /    `'ー- 、  ヾ
 /      |  ヽ        /        /         \ ゝ
         |   |      l       /            `'ー-、


         ___
       / ⌒  ⌒\
      / (⌒)  (⌒) \
    / ///(__人__)/// \       お会いできて光栄ですお!
     |     `Y⌒y'´     |
      \     ゙ー ′   ,/       コノヴァーレツィさんのためなら、何でもいたしますお!
      /ヽ   ー‐   ィ⌒ヽ
      rー'ゝ       〆ヽ .)
    ノヾ ,>      ヾ_ノ,ヽ}
    ヽ ヽ|        ヽ_ノ


1935年6月、コノヴァーレツィとやる夫は、アプヴェーアの用意したドイツ民族学博物館の一室で会合した。
2年以上に及ぶ、コノヴァーレツィとの付き合いはここから始まった。

154 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 23:00:57 ID:ivhfXho20

                   ,,,,,,,,,,,,,,
                 ,,/;;;;;;;;;;;;;;;;;;ik
                ,iiiiiiiiiiiiiiiiトiiiii,     _,,
                /llllハliトiiハll,jハilli     l;l
                 iiiiハ '  a゛ ` iiii  _,_,|,|_,
                 '|  -_‐-  `jk  ,ト-=y  丶
                  ヾ,_,__,.__ /i-"  `ヽ `i, ̄‐^l
                  |ヽ    |iii,,    ヾ~ `  i,      彼らが、我々の精鋭部隊だ。
                ,,_,i     y,ソト,,__   ヽ、   ;i,
               ,/r-'"j   / / ii, `ヽ、-x,,゜r  ;i      ウクライナ独立のために集まった有志たち。
            ,,/'/__.L、    /ヾ、"i   `ヽ `;i   i,
          ,/  /_iーヘ,ヽ、 , / i" ヽ、 i     `、'i   iヽ、  彼らにはその日が来れば、大いに働いてもらうつもりだ。
         _,) ヽ "   ネメ、_ii"~         _Yri   l, ヽ、
        _,,,>t 、ヾ、    ゞ;;/         /  ,¬    V⌒l
       ,y`;,,__   ,i     /ii'         / r-/|    l  l
    _/^,,,  ヘ  l    /iil         /  l"v' y     }  l
 v=4⌒ヽ、 j  --,,,if   /iii|       ,,  〈-ヘ_,、 <、    /  i|
   ヽ, ,, i、   _,,tv   /iiiii      ム、 / /  ヽ、ヽ、_x--ー‐- 、
 __,,,l ii Yi___,lk /   }iiiiil    ヘ __,,,,,,___/    `x'"^   ,,,,,   \
     ^ ̄⌒ヽ  ヘ、  ,ノiiiii|、__,,,y,,_,,,/ ヽ、  ,/   ,,,-‐‐ `',,   ヘ,、
   ,,,_  \  ヽ  `>- liiiiiiil ¬">--  ヽ  ヽ  i   i/   _,, /   } i
     "- ,,   }  / /iiiiiiil  /      l   l l   lK   ^~'  / |
        \ーヾ  /iiiiiiiil  /        i   i |   |i`'ヽーミ_/  /


λλλλλλλλλλλλλλ-
 λλλλλλλλλλλλλλλ- ザッザッザッザ
  人-人-人-人-人-人-人-人-人-人-人-
                 ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧
              (゚*  ) (゚*  ) (゚*  ) (゚*  ) (゚*  ) (゚*  ) (゚*  ) (゚*  ) (゚*  )
                   ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ザッザッザッザ
                (゚*  ) (゚*  ) (゚*  ) (゚*  ) (゚*  ) (゚*  ) (゚*  ) (゚*  ) (゚*  )


コノヴァーレツィは、西部ウクライナに“行政網”を作りたいと考えていた。
彼には浸透活動を行うだけの部隊が手元にあった。その数2個旅団、総勢二千名。
これらの兵士は来るべきときには、西部ウクライナにおいて警察として機能する予定であった。
コノヴァーレツィは、やる夫に少なくともこの部隊の指揮官の一人となってもらいたいと考えていた。
そのため、やる夫はナチ党学校へ派遣され、そこで訓練を受けさせられた。

155 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 23:01:42 ID:ivhfXho20



         , - ------ 、
        /::::::::::::::::::::::::::::ヽ
      ./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
      /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
    ./::::::::::::::::::/`ヽ:::::::::::::::::::::::::::',
    ハ:::::::::::::::i   o ',::::::::::::::::::::::::::i
     i:::::::::::::::::::::ヽ_ ノ:::::::::::::::::_:::::::,'
    ',::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/o ',:::/
     ゝ-:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i__ ノ/
    /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /
   ./:::::::::::::::::::::::::::r ニヽ::::::::::::/      こいつが新しく入った男か。
ー、/:::::::::::::::::::::::::::::::`ヽィ′:::/
:::::::`ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/         念のため照合を急がせろ。
:::::::::::::::',:::::::::::::::::::、:::::::::/
:::::::::::::::::i::::::::::::::::/` ̄´
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:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::',
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┃                             ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


新しくベルリンへ来たやる夫の存在はすぐにドイツ側にも知られ、アプヴェーアは、コノヴァーレツィを使いやる夫の写真を入手した。
ベルリン市内をコノヴァーレツィと歩いているときに、街の写真屋を装いやる夫の写真を撮ったのだ。
この時、やる夫はコノヴァーレツィに抗議したが、コノヴァーレツィは気にするなと取り合わなかった。
それから8年後。
1943年のある時、NKVDの特別部隊スメルシがウクライナで、2人のゲリラを捕まえた際、片方がこの時のスナップ写真を持っていた。
ゲリラは、ドイツ側の高級将校が、「なぜかは知らないが、この写真の男を見つけたら殺せ」という指令を行ったと証言した。

156 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 23:02:41 ID:ivhfXho20


           ,,ィ            ..::::::::::::::::::::ヽ
         / /           :::::::::::::::::::::::::::::',
       /   /            :::::::::::::::::::::::::::::i
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    /       {      、●   `ヽ ,:::::::::::/ー´::::::::l ',
    /      ',         `ー--=ァ'   :::::ヾ=='':::::! ハ
   {       丶        イ´   ..:::::::::::ヽ::::::::::::l l
  /:l        ヾ、         {    ,、:::::::::::}:::::::::ノ  i
  ,'.:.:',         ヾー 、    r´ヽア ̄ ヽ- '::::,, イ   ト
 i.:.:.:.ハ          \.:.:`.ー{ r-'  ィ、_`i`ー、    !.:.i
'.:.:.:.:.:.:.:ヽ           ヽ.:.:.:.:ハ`ーフ´ ヽ_`ー, ヽ.:.:ヽ  ノ.:.:.:l
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`丶         ハ.:.:.:.r゙ー'   ィー`゙´ }l.:.:.:i´.:.:.:.:.:.:i
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ー -- __ ノ.:.:.:丶_ ィ=''/    l i.:.:.|l.:.:.:.:.:.:.l


さて、着任後、やる夫がモスクワから受けた命令は
“ウクライナでのテロ活動が成功する見込みがない、だから小規模な抵抗はNKVDが叩き潰してしまう”
ということを、納得させろ、というものであった。

157 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 23:03:18 ID:ivhfXho20



       _,,;' '" '' ゛''" ゛' ';;,,
      (rヽ,;''"""''゛゛゛'';, ノr)
      ,;'゛ i _  、_ iヽ゛';,    ウクライナ人が弾圧されるのを黙ってみてろっていうのか?
      ,;'" ''| ヽ・〉 〈・ノ |゙゛ `';,
      ,;'' "|   ▼   |゙゛ `';,   それ、俺の前でも同じこと言えんの?
      ,;''  ヽ_人_ /  ,;'_
     /シ、  ヽ⌒⌒ /   リ \
    |   "r,, `"'''゙´  ,,ミ゛   |
    |      リ、    ,リ    |
    |   i   ゛r、ノ,,r" i   _|
    |   `ー――----┴ ⌒´ )
    (ヽ  ______ ,, _´)
     (_⌒ ______ ,, ィ
      丁           |
       |           |
ステパーン・バンデーラ(サバンナでも同じ事言えんの?)



     /           /^´´"|   |  | ヽ
    /      /  ∠     |   |  ト、..  \
    /::..    ∠.イ:::/ ̄ ̄`==|   |::::::ハ:::::\\\
   〈:::::r‐-、  .::/|/< ̄(:_リ"ヽ}/|::::||/=}:::::::ヽN\|
   〈:::{ r> l.:::/ l         / |::/1t:ハノ::::::::ハ| | |
    |::ハ ヽ |:/           l∧ ` |::::/l/ |
    |:::::`ー::::r             -/ ///
   」::::::::::::::/ト        ____  /     それは違う、今はドイツとの協力関係を維持し、力を蓄えるべきだ。
   ∧:::::::/ キ、          ̄ ̄` /
─‐N V|/   :::´X、        イ       今、ドイツはポーランドと関係改善しようとしてるんだ。
::::::::::::〉/      :::::::::::"'-x...,,,_,_,_,_,_/`
:::::::::zへ    | :::::::::::::::::::/ ̄´         いたずらにやつらを刺激する必要はない。
:::/   \   |  :::::::ノ:::<


が、この当時OUNには二つの派閥があった。
一つはコノヴァーレツィ率いる主流派で、もう一つはステパン・バンデラ率いる急進派である。
バンデーラ率いる急進派は、ソ連と同じくらいポーランドに対し敵愾心を抱いていた。
これはポーランド政府が、西ウクライナで行った同化政策とウクライナ人への大弾圧が要因だった。

158 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 23:03:54 ID:ivhfXho20


           _ト、,、
        =ニ ̄ __ ` '';,、   あー 久しぶりにテロりたくなってきたわー
       ミ"  (rヽ ミ''" `ヽ  最近ご無沙汰だからなー
      ,,=ニ   ''" ミ" ィoュ\
     キ      i"     <)      ―-== 二三=_
    /ミ゛ _ r-、 "、  ==ィ  ―-二二ニ=≡三    ≡
   /  ム( i r⌒i "゛`,;ー-,,,ミ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ≡= ≡三ニ
  /    ノ   ⌒〉   ,;"           三ーニ  三= _=
 /    /    ナ´  r ミ゙ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄三ニ≡
 |    Y    /゛rノリ,,ド             ̄= ̄
 \      /    |                 シュッ
   `ー―― ´     |
   |          |


やっかいなのは、急進派とつながりのあるテロ・コネクションだった。
1934年10月9日に、マルセイユにおいてユーゴスラビア国王アレクサンダル1世とフランス外相ルイ・バルトゥーを暗殺した
クロアチアの民族主義組織“ウスタシャ”と繋がりを持っていたのだ。
しかもウスタシャは、OUNと同じくアプヴェーアの支援を受けていた。


162 名前: 名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2014/09/22(月) 23:06:48 ID:VvCxgVYo0
>>158
>クロアチアの民族主義組織“ウスタシャ

ユーゴ内戦で名前出てきた組織か

159 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 23:04:30 ID:ivhfXho20

                            __
                        /ニ!
            l三-三l-------=-≦三]
            |‐=―T xz==ぅ :ヤ    ̄`.
            r┴┐l.|/`ヾ  ̄`丶   __ノ
            |―「l,リ./ '   Ⅵ _}¨丁
           _|_Ⅵ//.{    }} { {_ノ
          ノ:l:l:l7x彡'|   ,リ `7
            /^≧-Ⅳ`ヽ .l   ノ イ
     ---ミ_{ {   }  }└=''"} _」
   /       ̄ ̄ ̄ ̄ ミ、-- 7
  ノ              . . `¨ヽ
 ./              . : : -- イ
. /,,           . :  Ⅵ  リ
'"                   `デ´
     . : : : . . . . . : . . . . .  /
   . : : : : : : : : : : : : : :   ,}
  . : : : : : : : : : : : : : : . . .イ
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: : ,  ̄≧=-----=≦リ
イ    `''<l_l_l_l>'"


          _ __
         /─二__─_
        //\二| / | |二 \
       / | <~ゝ 二二 ∠~> |
     _// _T|  ┐ l_ |T_,  |_
  _─|  |  `U-  / ) U  | |-、
 <_|  |  | 、   / ~   \  | | | >
   ─/_/ |  / ̄~\ __/~|  |_|-'
      |  |  | ,───-_ |  |
      |  | |/       | |  |
      |  | |     ___| /|  |      き、貴様なにをするんじゃー!
      |  | | _ ──     7   |
       |    |_/ ̄ ̄\_/   /
       |              /
       |              /
    ─/ ̄|_          _/\
       /|  ──────-/ λ
ポーランド内務大臣ブロニスラフ・ピエラキ(ファーザー)

160 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 23:05:26 ID:ivhfXho20

     f''`⌒(     ,,,,               !:(',,,,、              ::,,,,,、...
     ,!,,,、(     /::τ             ノ:::::::::::::::::)          。  !::::::::::`! 、
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       ゜     (/      ⌒・ .   ・、;::::::::::::;;.;`` ''
     ,,、..   //   ノ'          //'''`'`'` `       ..,,.. _,,,.、 ・         ,, ...:・..
  π /;::::::::(,.,.(;;;::::(   ,,.,  ・っ                    ;,;;( ):::::;.    c::── '`'''::::::::::;''
   ):::::::::::::::::::::::::::/  '''''`   `        '`                     ⌒ ` !.:::τ'' ``
 τ !::::::::::::::::::::::::::::)/,,,,, γ               :'`'``:!
   (::::::::::::::::::::::::::::冫 `'`'    、,:'::::::`:::,,,,        !:::::ノ         ・
 :::':'::::::::::::::::::::::::::::;(,,,,,,,、:::::::-ー''''`'`''''''''"

パ   ァ   ン   !         パ   ァ   ン   !      パ   ァ   ン   !


バンデーラは1934年、ウクライナ人弾圧の指揮を執った内務大臣ブロニスラフ・ピエラキの暗殺を指示。
暗殺者は、ポーランド共和国建国の父ユゼフ・ピウスツキの片腕として、ポーランド軍参謀次長を務め
ピウスツキ内閣では、内務大臣として辣腕をふるったピエラキ将軍をポーランド群衆の面前で射殺した。

161 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 23:06:20 ID:ivhfXho20


       _,,;' '" '' ゛''" ゛' ';;,,
      (rヽ,;''"""''゛゛゛'';, ノr)
      ,;'゛ i _  、_ iヽ゛';,
      ,;'" ''| ヽ・〉 〈・ノ |゙゛ `';,
      ,;'' "|   ▼   |゙゛ `';,   指示した俺が捕まって、実行犯が捕まらないってどういうことよ…。
      ,;''  ヽ_人_ /  ,;'_
     /シ、  ヽ⌒⌒ /   リ \
    |   "r,, `"'''゙´  ,,ミ゛   |
    |      リ、    ,リ    |
    |   i   ゛r、ノ,,r" i   _|
    |   `ー――----┴ ⌒´ )
    (ヽ  ______ ,, _´)
     (_⌒ ______ ,, ィ
      丁           |
       |           |


この事件は当時ポーランドと友好関係を改善しようとしてたドイツにとって、寝耳に水の話であった。
ステパーン・バンデーラは、ポーランド当局に引き渡された。
裁判ではウクライナの大義に熱弁をふるったものの、無期懲役の判決が言い渡された。
以後1939年まで彼はワルシャワの「聖十字」刑務所へ収監されるが、ドイツがポーランドを占領すると釈放された。

163 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 23:07:25 ID:ivhfXho20



                ,.イ  ...::_=-
               /.:/.::´::::'――:::ァ=‐'
                  /       ::::::::::.`:::.―-..、
.      __,.....-‐::´     :. :..  :..  ::::::::::::.\⌒`
       `ーァ.::::::::::     :.  :. ::.  :::::::::.\\
.       _,.ィ;.:::::::       :.:. :. ::. :::..:. :. ::..:::::::.\::.、
.       ´ /.:::::: ..:::i:...::..: .: :.:::::.::. ::::::.. ::::.::..::. :::::::::::.:::.
.     /ィ:::::::/:i:::|::|M::::::::|::::::|:.\:\\::::::::::::::::.ヽ{ヽ
.      _.ムァ/.::: :|:::|::| |:::::::l::::::|:::::::.\:\`ゝ::::::::::::::.`    コノヴァーレツィのやり方では、ウクライナは解放されない!
          /イ.:/.:::|:::|::| ヽ:::::|:::::|、:::::ト.::.\:ヽ ::::::::::::::::|
.          jイ:::::::|::ハ:|≧‐\{、::{ーヾ:≦ヽ:.V.::::::::::::::{、|    我々は静観ではなく、今こそ行動するときなのだ!
           |:|:l:::l〃{ュ::::}ヽ ヽヽ,イュ::::}㍉:::lヽ:::|::|、| `
          }从∧ ゞ-' }´ ̄`i ゞ:ツ }ヽト|ハ:l、| `    彼はもはや保守に走った、老人でしかない!
.         {´  ト∧___ノ  '  ヽ ___ノ ムト:{ヽ`
       /`  |  ヽ    r= ュ   ,イ〉' / `ヽ      だが、我々には彼が失った若さと勇気がある!
.     /     l    >..      . ィ1   /     \
     i      ヽ.    ヾ` ‐ ´ 〃  '      {    ウクライナ独立万歳!
     {  \       ヽ \   ´       /  ヽ
           コステレフ(桜田ジュン)



              _
           /∧\
          // ∧ ヽ、     ,,ィ┐
         //  '"´    ̄ ゙̄''</  |
         / '"   _       `ヽl!
        /     '~´         ー-、',
      |                l
       |        ノ´ ̄`ヽ    |
       |       |     |   |      そうだそうだー!
      \          ̄ ̄ ̄     /
      , '" ~/\、_______,,/
    /   /___∧    ∧_> \
  /〃         \  /        |


1935年現在、バンデーラがいなくなっても、急進派が瓦解したわけではなかった。
バンデーラの右腕であったコステレフという男が、ナチ党学校に通う若いウクライナ人たちを中心に急進派をまとめていたからだ。
彼らはコノヴァーレツィを年寄りで組織を運営するのはもはや無理だと決めつけ、彼を看板だけの存在にしようとしていた。

164 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 23:08:19 ID:ivhfXho20


              _
           /∧\
          // ∧ ヽ、     ,,ィ┐
         //  '"´    ̄ ゙̄''</  |
         / '"   _       `ヽl!
        /     '~´         ー-、',
      |                l
       |        ノ´ ̄`ヽ    |
       |       |     |   |    やる夫、君もそう思うだろう?
      \          ̄ ̄ ̄     /
      , '" ~/\、_______,,/     このままじゃいつまでもウクライナ独立なんて無理だ!
    /   /___∧    ∧_> \
  /〃         \  /        |


          ___
        /\  / \
      /(●) (●.) \
     /   (__人__)     \     お前ら何様のつもりだお!
     |      |::::::|  ノ(  |
     \     l;;;;;;l   ⌒ ,/     お前らをこうやってこの学校に入学できるようにしたのは、コノヴァーレツィだぞ!
      /ヽ   `ー´   ィ⌒ヽ
      rー'ゝ       〆ヽ .)     それに、ウクライナにある組織は、コノヴァーレツィから支援をうけてるんだお!
    ノヾ ,>      ヾ_ノ,ヽ}
    ヽ ヽ|        ヽ_ノ     彼のおかげで今まで戦い抜いてこれたんだお、お前らのことなんて誰も知らねぇよ!

165 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 23:08:40 ID:ivhfXho20


          ┌ 、           ,. ┐
          | :,\____/,: |
          |  /      \  |
            V          V       そ、それはそうだが…。
          |   三三     U |  っ
          |  三三三三 U  | っ
          ヽ.  ,ー―、    /
                >`ー─'  <


            >'´ /   ∧    |    i| ヽ.      \
           /   /     /::::ヽ _,斗:.:.:.: :   |   !  :...  _\
           〉   丨   i r'   ヽ : r|:.: : .      :. :.:.:... : :..`ー-、
          |   |  il r.''''ヽ. _..-''''!/|∧r.._       :.:.:.:.:...:.:.:..:.:./
          / .:.:.:.:|  i.r'' ̄`ヽ=. <(::)>ノ  ~"'-._y  ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
         / :::/イl|  li <(:)丿/ヽ.____,,..r'"    i i~ヽ.-:.:.:.:.:.:.:./
        ./::/  /   ヽ__.r'(   '';;        i r'"(:.:.:.:.:.:.:.:\
        レ'゜   / /  i「   ヽ-⌒-'        \i >>.:.:r-‐'´
            レ' レ'〉 i  _...||.-.._         .r-' 'ノ::;;;>       ッ……!
                 i ./_.=:==-ヽ       y-.''~~ミ
                   i ヽ_,,,.. r"~        i i :ミミ~        やる夫、っつたな。
                  i         .....::::::::/  i~~
                   ヽ    ...........::::::::::::'   i           レベドさんの甥っ子だか誰だか知らないが
                    ヽ-::::::::::::::::::::::::::'    :i
                     丿 ::::::::::::::::'     i            あまりでかい面すんじゃねぇぞ!


ナチ党学校の中で、やる夫はウクライナにおけるOUNの支部長代理としての地位をもっていた。
だからこそ、毅然とした対応で、自分の意見を言える上位の人間としてふるまえた。
一方、ほかのウクライナ人の若者たちは、あくまでもドイツの援助を受ける移民でしか過ぎなかったからである。

166 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 23:09:15 ID:ivhfXho20


               ____
            /      \
          /  ー) (ー  \     コステレフごときがあなたを批判するなんて許せませんよ。
        /  ,(●)  (●),  \
        |      (__人__)    |    コノヴァーレツィ、奴はあなたを組織から排除する気です。
         \     ` ⌒´   ,/



        _ ,/  ̄ `ヽ、
      /´  トーチ<`ヽ、 ``'' ‐、,_
     / / / l        \_ヽ 、 i
    / /  /            `\ヾi、
   l  /  /  / i リ   i、      ヽ、l
  i  ノ /  /  l ∧   l\ ヽ  i, \
  ノ / / /// i ヽ i;  |i ' ,i  l  |i、 l、
  ヽ// / /iノ| !_|ヽ!i; i;  l!  'i |i  |li i;
  ノ レヽ! | |l|_;;:コ|ニl| i; i; l|_∠| /!;i  /!|ハl
ヽ、ヾ|〈シヽ ト|!ゞ'='゙-ツト;i; トi lャラく;l! /! / |!/ !
 ,ゞ、_ゝヽ!ヽ|   "´  \|ヽ!`"゛/ ノリ' /
´_> > `;┐         :i ',   ク゛/
´ //// ',        ィメ>'  / ,.、,_ ,..._
/イ /_/  ゝ,   一 ==r‐ァ‐''"/ _/ >-‐ 、
,/ '/ /    \  ゛ ̄ (゙\`マ -‐ト-.r '`';ーく__\     今まで大目に見てやったのがわからないのかね…。
, '/  '、      ^'x ; ,, ,、ィヽ \\ ,)/ ノ /  ノ
/    `' ーァ、  ;;:/  / ̄iヽ `々゛   、   /      まったく、嘆かわしいね。
       | ヽ  ;ノ 〈  ',ヽ `、  :i  ノ    |
       l  \    ヽ /, \l    ! /   |       彼についてはこちらが“処理”する。
       ヽ ,、 -〉  , --〉/⌒i'ハ    ;      ト、
   ;     |ヽ \  /_ノi\l ',\  ヽ,    ! \     報告ありがとう、やる夫。
    i     l\\ ヾ' ´ // \'、 ヽ      \
     i   /   \>-‐‐く/    ヽ:、 \      \
    |   /     ヽ   /  ' ,   ヽ  \
    | /        ', __/     l      /\
    ´         ! i     ノ       |  ヽ



   _,,.. =---ァ‐‐一ー‐‐ミ.、
. 7´::::::::::::/   , へ._   ヽ _
:´:::::::::::/     `ヽ.. 丶.   ',::` ー-=...、
::::::::/_        `¨´   . ',:::::::::::::::::::::丶
::/ {. . ヽ  ′         ',:::::::::::::::::::::::::::::丶
':.:.:.:.:.:.`ー '     _       i、::,、:::::::::::::::::::::::::::丶
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:、:.:/   ヽ        ! ! !!:::::::::::::::::::::::::::::::丶
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽヽ_・_ノ      ' ,i i::::::::::::::::::::::::::::,=―ヽ

一連の出来事を報告してから間もなく、コステレフがコスプーデナー湖に浮いているのが発見される。
OUNを分裂させるのは、コノヴァーレツィにとって絶対に避けなければならないことであった。
この出来事の後から、やる夫は彼に信頼されはじめ、その庇護下におかれた。

167 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 23:11:04 ID:ivhfXho20

.: : : : .: : : : : : : : : : : : : : : : :  : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | : : : : : : : :
 ° : 。 :  : :   : :  : :  : : : : : : : : : :。  : : : : : :  :  :゚:  : 人 : : : : : :
: :  :  : : : : : : :  : : : ゚ : : :    : : : : : : :  : :°:  :  : :   : 〔幵〕 : : o  :
:  . : . :  . :  . :  . :  :  . : . : . : .  :   : . :  . : . : . : . : .  .|幵| . : . : .
 .  .  : 。 .  : .  : .       . ° . :      .   .   :         +|幵|  .   . .
                             。                . |YY|
  °                                          ゚         |xl!t|
                                                    |x||x|
                                               |x||x|
                                                |Y||Y| *
                                                 |X||X|
                                                  |x幵x|
                                                   |x幵x|
                                                o |X幵X|
                                                 |W幵W|
                                                _f幵幵幵幵t
                                                 ‘示示示示示’
                                               //777,ママヘ
                                             × //77/―iママヘ °
                                                 //X7,'+ ∨Xヘ
                                               .//X7/    ∨Xヘ
                                            _//X7/______∨Xヘ
                                          }苙苙苙苙苙苙苙苙苙{
        o + | ̄ ̄ | ̄|||  +  ┌――┬┐ 。   +   o + | ̄ ̄ | ̄|x._辷辷_┌――┬┐ 。
.       | ̄l |lll lll lll| ll |||r-| ̄| o|lコ lコ lコ| |―lo.r、、。* | ̄| ̄l |lll lll lll| ll |r-| ̄| o|lコ lコ lコ| |―l l
      二lニl |lll lll lll| ll |||| _|  |+l"|lコ lコ lコ| | l⌒l⌒llHlニニニlニl|lll lll lll| ll || _|  |+l"|lコ lコ lコ| | l⌒l
          ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

     ____
   /      \
  /  ─    ─\
/    (○)  (○) \    す、すげぇ。これが花の都パリなのかお…。
|       (__人__)    |
/      |!!il|!|!l|  /
      |ェェェェ|


1936年、やる夫はコノヴァーレツィと、パリとウィーンにいるウクライナ移民支援者の視察旅行に付き添った。
特に美しいパリの街並みは、やる夫の印象に強く残ったらしく、その時のことを年を取っても鮮明に覚えていた。

168 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 23:11:43 ID:ivhfXho20


         __
         [|,,,★,,|]
        (´・ω・`)   同志スルツキー。
         (つ□と)   ベルリンからの報告が届きました。
         `u―u´


           _ __
        ,r.:"´;:;;;;;;;;;;:;:.:.``ヽ
       ノ彡;;;;;:,;;;;;;;;;:;:;:;:;:.:.::ゞ\
      /.::/⌒ヾ.;;;;;;;;;;;;;:;:;:::.:.:.ミミミヽ
       l::::j    \`ミミミヽ:,、;;;;ミミミ',
       |/l       `゙""¨´ `l;ヽ\|
      リ,,rヘ、_    _,,,__  トヽ\!     同志やる夫はうまくやっているらしいな。
        ハ'^`モッ'ト :"ニtz‐ッ ``V^ヽ;l
        u|    ´l ;:. ` ̄ ` , ;ヘ'/     パリで3週間コノヴァーレツィと一緒に視察するそうだ。
       ll    ,′;:::.     / し'′
         1   `"´     ′1       これはいい機会だ。
         ',   -‐─-;   ' /.:.L
        ハ、    ̄´  .//ノ::ハ      君には、我々からのメッセンジャーとしてパリに向かってもらう。
         __「ヽ\   _,.ィ‐'´ .:::/ トーrr
  ‐rr一'77フ′ ``≧≪"   :::// l: //:;:   よろしいね、同志?
  l l   i゙1 \   ノl〈   .:.::// ノ/ ':;:;;;
  .:| |  .! |    `"´ _」 ヽ  "´´  .:.::;:;;;;;;




       ノ i  八ヘ ∨\       _   .イ .l/ノ.ノ}',  ',
    / , '"!,ノ / \ ',.l \    ´ ‐  / // i! .i ',     了解しました。
  -'" ´ /./ ,/    ヾヘ_. ` : . . _ . イ  //  i! .i  ',
 ー===彡イ_,.イ     '  ヾミマ三三イ、!  / 》__,j .j!   ',   大至急、パリに向かい同志やる夫と接触いたします。

169 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 23:12:51 ID:ivhfXho20
パリ クリシー通り

///i! l::::ll::.l l::゛゙l' ,, . `ヽ!  ,,ヘ \!!',                         ./i
///i! l::::ll::.l l:::::l::.'l ゝ,    |::| ..|! .',                        / i!
///i! l::::ll::.l l:::::l:::.l |::::' ,   !::| .ril  ',                      /   i!
///i! l::::ll::.l l:::::l::::l |::::|::::i  .'ヽ |.|!   ',                     / /  .i!
`''-.!! `''-..l l:::::l::::l ..|::..l::::!    .^|!   ',,                   / /   i!
       .` 、 ..l |::::|::::!  ト、  |!    ',____._.               ./ /    i!
         ゙゙'  |::::l::::l  .!::::'! |l    i!\! i           / ', / /     ,i!   γ⌒'.,
            `'=-i  !::::l |l r・, r・, !::::::ヽ          ../  /./  γヽ  i!  γ .l  '.,
                .!::::l |l.| l l .l l::::::::| \        ./  .//   l  i  i!   i .l   l
゛゛''l i!=====┓         ' |l |__l l__l l::::::::| n ..\      /   ./!γ,  l___i  i!   i .l   l  γ ⌒`ヽ
:::::::l   l..∨ .l           |i     l::::::::|.i,! !,i.l    .,'', l‐‐‐‐/ i i l     .i!   i-┼―-.l  ,'     ヽ
:::::::l   l..∧ .|`',   i!'= ,,    |l    .l::::::::|   l/^\' ', l ロ /!i l i__l      i!   i .l   l ,'      ',
:::::::l   \_/::::::',  i!:::::::i! .l'= ,|i r.i .r.i l::::::::| n n l. ロ ロ ロ\',.l   !.i l   /l',   i!   i .l   l |       |
:::::::l     i:::::::::::ll  i!:::::::i! l:::::l|i l_l l_l l::::::::| i,!i,! l    /.'.l ロ l.i .l  ./ | .',   i!   i .l   l |       |
:::::::l     i:::::::::::ll  i!:::::::i! i:::::l|i ,'゙゙',  .l:::::::|   l  ロ  l゙゙l .├‐.┤゛l  l .|  l  i!   ゙゙゙'',',',',',/ .|       |
:::::::l     i:::::::::::ll  i!:::::::i! '  .|i l .l  .l:::::::| ___.l ,.-.、 l l l: : : l.i.!l  l .|  l  i!         |       |
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:::::::l     i:::::::::::ll._ '''"゛      -‐''"゛              i    `ヽ .l . .l  i!         |    ┗! ..|
:::::::l     i::::-"´      -‐''"゛                  ',      `ヽl... i!        . |      |
:::::::l._. .-'"´     _,,,ー'''"゛                       ',         '-..、       .|      |
        -‐''"゛       ._..                    ',           `''-、,     |      |
    ,  '''"゛                                \            `''ー ..,, |      .|
 ー'''"゛                                      \               `゙'ー .._   |
                                                              `''ー| .._

170 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 23:13:03 ID:ivhfXho20

          ____
        /      \
       /  ─    ─\
     /    (●) (●) \   (さて、このあたりのはずだお…。)
     |       (__人__)    |
      \      ` ⌒´   ,/   (知ってる人物だっていうけど、いったい誰なんだお?)
      /         ::::i \
     /  /       ::::|_/
     \/          ::|
        |        ::::|  キュム
        i     \ ::::/ キュム
        \     |::/
          |\_//
          \_/


パリで3週間過ごすという報告を送った後、モスクワのNKVD本部は、パリとウィーンで一回ずつ会合を求めてきた。
やる夫は接触場所であるクリシー広場とクリシー通りの角に、一週間に一度立って密使を待った。
モスクワはスパイ術のルールにのっとり、密使の名前を明かさなかったが、やる夫が知っている人物であると言ってきた。

171 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 23:13:38 ID:ivhfXho20



                     |
                     |
                      |
    ,-―- 、      ,-―- 、 |
   / /`~~ヽヽ     / /`~~ヽヽ |
   { {..;;;;;; ノ |    { {..;;;;;; ノ | |
  . ヾ_`'''゙",,,ノ    . ヾ_`'''゙",,,ノ }     えっ……?
      ̄          ̄   /
 !                  /
 j     /´   |   ゝ  丿
      ゝ、____人_____ソ//
      _ _   ./ /
\     ` ̄   ,//
  ` .、       /
   :ミ:ー.、._  /``'''ー-、


そして、やる夫はクリシー通りの一角にあるカフェで、その密使を見つけた。
それはやる夫にとって、なぜそこにいるのか、信じられない人物だった。

172 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 23:13:55 ID:ivhfXho20


                  ,  ´ ̄ ̄ ̄` 、
                 /         /:::::ヽ. /\
                /><       ` <::::/::::::::::::> 、
                   /.:´:::::/ >= ニ二_三>、 {:::/  ̄∨::∧
               {:::::::::/ ∠斗<广,.へ. .ヽ. .l:/. : : : :∨::∧
                 八:::::/ / /-ノ- / ィ ヒハ: .}.:./. : : : : : :i::::::ノ
                    >イ ,ヘィfち.′    li/ ,i: : : : : : : :レ
        {        /// ヘ. /  ,   ルイ:l: : : : : : : :l
        ヽ    ー=≠ イ/./ /、   r-  /厶l: : : : : : : :l
           ` ー=≦ ー=彡'′ /. .>‐-r. 彡:::::::!: : : : : : : !
.     ` ー==≦. . . . . ./|. . . . . ./!ハ__圦:::::::::::j\ _ /l
.       /.. . . . . . . ./.人. ./. . | Lノo ヽ}:::::/|       八
.       /⌒'ー==≠彡/ ノ厶斗<_ ヘ.,j∠:::l |、    /
.    /     /  /.  ´  /.::::/ .:::::/米 /:::l |ハ   /
.     {     / .  ´    /. ::::::/.::::::::ヽ イ::::: !:|:∧ /
.     ヽ ,   ´       /.::::::::::::′::::::::::::::::::::::::l l :::.∨
.      /        ,/.::::::::::::::∧ ::::::::::::::::::::::::::!:l::::::::!
      |    ヽ,_   ´ {:::::::::::::::/ ∨:::::::::::::::::::::::l l::::::∧
     l    |     ヽ::::::::::/ ´ ∨ ::::::::::::::::::::!:l ::::l i
     .    |      ノ::::::::/    ∨:::::::::::::::::::j !_l |


そのカフェでコーヒーを飲んでいた密使は、やる夫の妻、エマであったから。


175 名前: 名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2014/09/22(月) 23:15:49 ID:VvCxgVYo0
>>170-172
夫婦間でも相互監視をさせていたのだろうか

173 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 23:14:41 ID:ivhfXho20

                               --――
                                           ` .
                         .   ´                 \
                     /                       \
                   /  __    .   -―――――-  、   _\
                   / /::::::::::\/-‐            ―-\/::::: \\
             、___ハ  //::::::::::::::::/                  \::::::::::::\ヽ
.           / ', ト、 i 〈:::::::::::::::::::::厶:- ―┬ ――;――‐、――― --∨:::::::::::::::.〉
          /、入i トl .lr'::::::::::::::::_/   |__/: |   | __\____     :|\:::::::/
         | 入込i レしレヘ\:/__|  ̄ | /  ̄{   |       ',    .|⌒l/
.          i  ',`, v  /    `/ .|   ¬=ん<\ _,∠-‐==.' ...}  |  |
          ',   \  ./    / /|    下丁而i'  \<,.'ィ'iラ兀iア .|  八:|
           ',    i .|      {:    ', .乂_ラ       .乂ジ´ ../ /::. 八
          /   ,' 丿   | /八 、  :  `¨¨´       ¨¨´ // /: : : ....\
            /   .´/     l//  ∧   八    丶      ./イ  /: : : : ト\
       ;;;_./   ./      /   |∧   :\   ─    / / /{: : :| :l| ̄    私の力が祖国の役に立つのでしたら…!
       /  \ .∧..,    ノ    \Ⅹ   ∨ト、.      , :个/ /   ヽ: :|: } \
.      . /      Ⅹ ',:  /:      .\ ∨厂!`ヽ-‐'´ /´|/ /,.:',,    \ .ヽ\
.       /      `丶〉: / ̄_`〒´ ̄ ::::::\〉リ三三V 三三-'==;/:, '==ヽ.   }ー-
     , '        / フ : ´   iニニニニニ彳三三三|三三三三三三三ニニ.厶,  /
   ,.'          .ムへ/      | 三三三三三三/三三三三三三三三三冫 ヘ
.  /           ./\ ..`ヽ、   /三三三三三../三三三三三三三三三/   ∧
.. ,'         卜 `ヽ、___レ.三三三三三./三三三三三三三三三 /    ヘ
 イ           /          /.三三三三三/l三三三三三三三三三 /      ∧
  ハ                __/.三三三三三..ノ  \三三三三三三三三/       ∧


やる夫の妻であるエマは、やる夫に先立ちNKVD対外情報部へ移り、各国のエージェントと本部との間を結ぶ密使(クーリエ)となっていた。
彼女の任務は、ジュネーブからの留学生を装い、西欧で活動しているソ連側のエージェントと接触すること。
彼女はそのための専門訓練を受け、やる夫より早く西欧での諜報活動へとその身を投じていたのだ。

174 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 23:15:26 ID:ivhfXho20


                ´            `
             /                \
            , '  _...__ ,.''"二 ̄ ̄ ニ __、、 _ ヽ
           / ,...r:::::::::::ヽ´''"´       ‐、'::::::::::ヽ '、
           ,'r:::::::::::::::::::/           \::::::::::::ヽ
          〈:::::::::::::::::::::厶:- ――――― --∨:::::::::::::::.〉
           V::::::;;r'/´ -十ァー !    j-‐─ヾ::::::::::::ツ
            `/ ||   /―--  |   ||--― |⌒l/
            | /八 、 ',:.イ伐≠ミlヽ  |芹万サ|  |
            l//∧  ',`.弋z_ソ` \ | 弋zシ 八 |
              /  ∧  ヘ\/l/l    ヽ/l/l / / 八        久しぶりね。
            ′ .|∧  ',ヽ、    ′   / / /  \
          ノ i _.| ∧  ', > 、 .っ   ,イ  / /   ト \     少し痩せたみたいだけど元気そうでよかった。
        /://   ヽヘ  ', _ヽ|>..<┬┤/  | l |
      -'" ´ /      ヽ\ |:::::::|:::::::::::::||.|/` _ | l_\


         ____
       /   u \
      /  /    \\    えっと……ありがとう。
    /  し (○)  (○) \
     | ∪    (__人__)  J |   君も元気そうで何よりだお。と、とりあえずここから出よう。
    \  u   `⌒´   /


やる夫は妻に自分に関わる任務にはついてほしくはなかった。
半年ぶりに妻に会えたことはうれしかったが、彼女の身を危険にさらしているのではないかと怖くなった。
誰かにあえば、それは間違いなくOUNや他の組織、ドイツやフランスの情報機関が一斉に調査するに違いないからだ。


176 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 23:16:27 ID:ivhfXho20



  __r───‐、 「 ̄|___________「 ̄| , ───ーi__
 | |  -、, -、 |ヽ. n |              | n ,..:'|  -、, -、 | |
 | | |王| |王| |: :| u |              | u |: :| |王| |王| | |
 | | |土| |土| |: :| n | 三三三三三三三三} | n |: :| |土| |土| | |
 | | |  | |  | |: :| u┌ー─ー─ー─ー─ー─ー┐u |: :| |  | |  | | |
 | | |王| |王| |: :| n| , - 、 ,. - 、  , - 、 |n |: :| |王| |王| | |
 | | |土| |土| |: :| u| ム二ハ. ム二ハ. ム二ハ. |u |: :| |土| |土| | |
 | | |  | |  | |: :| n| |土土| |土土| |土土| |n |: :| |  | |  | | |
 | | |王| |王| |: :| u| |    | |    | |    | |u |: :| |王| |王| | |
 | | |土| |土| |: :| n| |王王| |王王| |王王| |n |: :| |土| |土| | |
 | | r=r=r=rミ.|: :| u| |土土| |土土| |土土| |u | : >=r=r=r=}.| |
 | に二二二リ: に二に二二二二二二二二コ二コ :に二二二リ |
 | | |冂| |冂| |: :|>| |\_rー!____,.rー!_,..:'| |<|: :| |冂| |冂| | |
 | | |l 」| |l 」| |: :|  | |   | |  _  | |   | |  |: :| |l 」| |l 」| | |
爻ー| ,.、、、   |: :|  | |   | | //⌒', | |   | |  |: :|      爻xx爻
ミ爻メ爻爻ミ._|,.:'  ,|_| __|_,.|__L!_Ll_,|_,.|__ |_|_ ヽ.|___x爻ミXx爻
爻ミミミ爻彡  >'´                `'<   爻彡ミ爻ミ
メ爻ミ爻彡ミ>'´                     `'<爻ミ彡彡爻
彡ミ爻>'´                          `'<ミ爻爻


カフェから出て、彼らはエマの泊まっているホテルへ移動した。
クリシー通りは人が多すぎて、だれに見られているかわかったものではなかった。

177 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 23:16:55 ID:ivhfXho20



         ____
       /   u \      エマ、いいか、よく聞くんだお。
      /  \    /\
    /  し (○)  (○) \   やる夫の任務にこれ以上関わらないほうがいい。
     | ∪    (__人__)  J |
    \  u   `⌒´   /   モスクワにはやる夫から連絡するお。



     /                 \
    /             ___ 二ニ -ヽ
    {____    __   , ィ´:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
    ヾ::::} , ィ ´ ___  ̄ `>、::::::::::::::::::::::::::::::}
..     ゝ ´  ̄     ̄   /´`>  \::::::/        あなたの気持ちはわかるけど、私も訓練を受けてきたのよ?
    / ________ ./、    `≧}/
      ∨i「丁iヽ| !l T/丁/丁:|  / /  \        心配しないで、やる夫。
      /Ⅵ灯nミ:{'ヘヘ', zィつフ丁〉! / / }   ヽ、
    / ヘ{ マン \|   乂_ノ .|/ / ,'   `ヽ `ー    自分の身は自分で守れるわ。
    {i l 从   / .\     ./. / / ,' ' ,   、
    ∧   人  r`─、      .イ / / /   ヽ   ト、 、
` ー=  ヽ ', \ !、_ノ   ..// / ∧    ヽ  { \

178 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 23:17:36 ID:ivhfXho20

       ____
     /_ノ  ヽ、\
   /( ●)  (●).\         エマ、この任務は思った以上に危険なんだお。やる夫は信用されてるけど
  /   (__人__)  u. \
  |ni 7   ` ⌒´    . |n       OUNはドイツ軍に支援されてるけど、奴らはOUNや関わりのあるウクライナ人たちの
l^l | | l ,/)      U  l^l.| | /)
', U ! レ' /      . . | U レ'//)   監視体制を強めているんだお。もし君が捕まったら、奴らは確実に拷問で
{    〈         ノ    /
..i,    ."⊃    rニ     /     君の正体を暴こうとするお。
 ."'""⌒´       `''""''''


ホテルで、やる夫はエマを巻き込むまいと、彼女を説得した。
ドイツかフランスの情報機関に彼女が捕らえられれば、確実に拷問されるのは目に見えていた。

179 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 23:18:15 ID:ivhfXho20


     /                 \
    /             ___ 二ニ -ヽ
    {____    __   , ィ´:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
    ヾ::::} , ィ ´ ___  ̄ `>、::::::::::::::::::::::::::::::}
..     ゝ ´  ̄     ̄   /´`>  \::::::/
    / ________ ./、    `≧}/
      ∨i「丁iヽ| !l T/丁/丁:|  / /  \
      /Ⅵ灯nミ:{'ヘヘ', zィつフ丁〉! / / }   ヽ、
    / ヘ{ マン \|   乂_ノ .|/ / ,'   `ヽ `ー     ……わかった、スイスから本国へ帰るわ…。
    {i l 从   / .\     ./. / / ,' ' ,   、
    ∧   人          イ / / /   ヽ   ト、 、   でもその前に、OUN内の派閥の話をもう少し詳しく聞かせて。
` ー=  ヽ ', \   △      // / ∧    ヽ  { \
       ヘ ',   >.     ..:´/ '/      ` 、 ',  ヽ  モスクワで部長たちに説明するから。
       ヾ /:_rノ‐≧≦―/`ト<'_        ! ヽ __,
    >´ ̄ ̄}:::::::::{三三三>::::::::::::{  `:<    / `ー '
   /    /::::::::::(__)::::::::::::::::::::::::::|    `:<
   !   /:::::::::/¨ヘ:::::::::::::::::::::::::/      `:<


時間はかかったが、やる夫は彼女にスイスからソ連本国へ帰ることを約束させた。
そして、亡命ウクライナ人社会の現状、アプヴェーアの強力な支援について説明した。
エマはOUN内の内部抗争について強い関心を示した。

180 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 23:18:38 ID:ivhfXho20

                 _______ ____
                /         (__ ゝ
              /           (___ヽ_
             /   ──     ──  (__ _ ヽ_
           /  /´  `ヽ   /´  `ヽ  (_\ 〈
          /     `T;;;:::;;;T′   `T;;;:::;;;T′  \ \    さて、そろそろ戻らないとコノヴァーレツィに怪しまれるお。
          |     ヾ''''''´"ノ   ヽ⌒゙''''''´" U  |  )
          |       (    i    )       |三三)   エマ、君も気をつけて。
          \       `ー ─'^ー 一'       /.:.|  .|
            \         ̄ ̄        /|.:.:.:.:|  .|
             〉三三三》     《三三三〈  |.:.:.:.:|  .|



          ,.ィ≦            `  、
          /.   _____               ミ 、
.        / //:::::::::::::::::::::::`)       ` ∨:::::::/ヽ
  .       | /::::::::::::::::::::::::::ィ´    ____ ヘ::::::::\-'、
       {/:::::::::::::::::::::./ ヽ_,.. ̄ _ 二ニニ二 , -.., < `ヽ
       ヽ,:::::::::::_r/ !、 _ハリ.ハ_ ..,' .∧ ル.ム 7:', ハリ´
        / /|  /.,' ヘ,. r=ァ=ュ、,' ,人/.ィ示ミ、 l : }
         ,′{:  .<、{、 `、弋_ノリ  / /.ヘ_乂ソ´′.} .|
         l//∧.  人 ヽ `  ̄  /     //i.; ,/!',
         /   | ∨ヘヽ、`       ,   ´ .' l.lハj八、    ……わかったわ。
       ノ i  八ヘ ∨\       _   .イ .l/ノ.ノ}',  ',
    / , '"!,ノ / \ ',.l \    ´ ‐  / // i! .i ',  ー-‐
  -'" ´ /./ ,/    ヾヘ_. ` : . . _ . イ  //  i! .i  ',
 ー===彡イ_,.イ     '  ヾミマ三三イ、!  / 》__,j .j!   ',
          >''"´/ニ/:::::::::::::::≧,=<:::` ヽ` ̄  ヽ,_| .}  i
      , - ´   /ニ/::::::::::::::::::::::ヘ○ヘ::::::::::ヽ     ヽ/ /

181 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 23:20:36 ID:ivhfXho20

          ………ねぇ、やる夫

               _____     |/
             /           ヽ    ─
           /               \
          / 、                \
           /   `ー-               ヽ     ん?
           |  、__               |
         ノ   └┘ /              |
        (、      !_j              |
          {`ー-'                  /
          \  ,, -===ニニニニ====-、_/
            ソ´:::;;;;;;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\
       ___〉:/       |i     \/_
      /| ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::       |`ヽ,
     /  .| ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::       |:::::::|



              /                  \
         /  __    . ―――――-    _.\
  .       / /::::::::::\/-‐      ―-\/::::: \\
 . .  ..   //::::::::::::::::/             \::::::::::::\ヽ
        〈:::::::::::::::::::::厶:-――┬――――― --∨:::::::::::::::.〉
        ::::::::::::::::/   |__ /: .|  | __\__  :|\:::::::/
         \:/__|  ̄ | /  ̄ {  |     ',   |⌒l/
            /|∧ ∧ xチぅミ、 {  | ィチぅミx  八 |
         j l iヽ ∧ `弋z刈 \|   込zン!´/ / 八
         ノ i 八ヘ  ', トゝ///      ///,リl/ / ', ト \
        / , '"!  \ ', \    !     ,.イ/{ | l ',`ー-‐     気をつけてね…。
     -'" ´   ,! __|ヾハ_≧i 、 ^^  . イト.:!  !´ ̄ ̄`ヽ
          /     !、 . !\`¨´  ,.!ノ|::::::::\      ハ
         ./     /::::::::ヾヽ `i f ´  .}:::::::::::::ヽ     i
            !    /:::::::::::::::::ヽ \∨/ /::∨:::::::::::ヽ    |
            |    /:::::::::::::::::::::::\(__)/:::::::::::::::::::::::::::ヽ.   |



第二話 海外任務 前編 完



182 名前:NH ◆aYcZxkkPoM[] 投稿日:2014/09/22(月) 23:22:43 ID:ivhfXho20
投下終わりです。
お待ちいただいた方、本当に遅くなってしまい申し訳ありませんでした。
とりあえず、前後に分けて投下することにしました。
後編は早ければ10月か11月に投下します。

183 名前: 名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2014/09/22(月) 23:23:35 ID:VvCxgVYo0


>>178
>ドイツかフランスの情報機関に彼女が捕らえられれば、確実に拷問されるのは目に見えていた。

「ジャッカルの日」みたいに、民主国家といいながら、フランスの特務機関も平然と超法規な行動していたんだろうな

185 名前: 名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2014/09/22(月) 23:45:13 ID:D3tqOkWo0
乙でした

まさしく「ずるい卑怯は敗者の戯言」な世界なんだねぇ…

186 名前: 名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2014/09/23(火) 01:45:23 ID:ExSwokYI0
乙です

>>183
CIA「諜報工作活動に国家体制は関係ないよ」

187 名前: 名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2014/09/23(火) 10:49:24 ID:3ULJfol60
>>38-39
ttp://kriminal-ua.info/item/491-pavel-anatolevich-sudoplatov-terminator-stalina

晩年の顔も刑事コロンボみたいに理知的で柔和だ

188 名前: 名無しのやる夫だお[] 投稿日:2014/10/14(火) 12:20:57 ID:yl7MYaeA0
>>185
日本は他国に立ち後れてるな
お人よしなんやな

189 名前:NH ◆MHTWiL/Qbg[sage] 投稿日:2014/11/04(火) 22:00:57 ID:tr5niPKE0
NH ◆aYcZxkkPoMです、間違って酉さらしちゃったので変更します(汗



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